バプル崩壊後の長期化した不況の時代は、長期化する毎に景気回復を熱望する
時代へと、エコロジーを置き忘れたというよりは見て見ないふりをして不況を脱出してき
た。不況を脱出することが日本の使命であるという論理が世界的に浮上していた。IT産
業がそれによって産業の首座へとのし上がった。政治に関わる問題はこれくらいにしてお
こう。

文化が文明へと広域性を拡大し、地球規模になってきた過程は、手放しでは礼賛できな
いように思われる。強者が弱者を力で押し潰す武器になり、武器による支配に限界が見え
てくると、あなた方のよりよい生活のために、という仮面を付けての猫なで声で、経済的
支配を強化して心まで奪う状況へと、より巧妙な手段が登場してきた。現在の機械文明は
人に命令する段階にまで達している。悪魔の段階では姿が見えたが、現在は姿を消した化
身になっているという表現すらできる。

思えばこの過程は、人間が造った機械に人間が支配されてゆく過程とも言える。これも
人間性を喪失してゆく過程と見ることもできる。笑いながらボタンを押すだけで大量殺人
ができる。ボタンを押した人は「オレのせいじゃないよ。機械に聞いてみな」の心境にな
るのだ。人間性喪失の時代は、人類滅亡の時代に連続してゆく可能性を持っている。